Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

オランダでお出かけ|素朴で雄大な世界遺産キンデルダイク

先日、世界遺産キンデルダイクに行ってきました。

 

 

キンデルダイク(Kinderdijk)について

キンデルダイクは、ロッテルダムの近郊にあります。

時代と共に風車の数が減っていく中で19基もの風車が今なお残っている貴重な場所。「キンデルダイク=エルスハウトの風車網」としてユネスコ世界遺産にも登録されています。

風車の使い方は製粉や製材など色々あるようですが、ここの風車は治水のために使われていたそうです。

 

トリビアによれば、あの有名な咸臨丸が建造されたのもここキンデルダイクなんだそう。

風車と何の関係が?と思いましたが、風車群の隣に世界的な造船会社があって、そこで造られたようです。

周りに高い建物とかないので、その造船会社は観光エリアからもよく見えました。

オランダにいると、遥か昔に習った日本史の知識とふとした時につながる事があって面白いです。

 

向かう途中でハプニング…

今回、私たちはロッテルダムから水上バスに乗って 行くことにしました。

 

地元駅を出発し、電車に揺られること十数分。

降りたい駅(Rotterdam Blaak駅)に着いていい頃なのに、一向に電車が停まる気配がしない…おかしい。

Googleマップを開いてみると、Blaak駅はとっくの昔に通り越している!!

嫌な予感的中。。我々、乗る電車を間違えたのです。

どこまで連れて行かれるのか…私たちの心配な気持ちとは裏腹に、窓の外の景色はものすごいスピードで移ろっていきます。

ようやく停まったのがBreda(ブレダ)というところ。

 

…どこ?笑

 

地図を見てみると、だいぶベルギー寄りの街でした。

 

辿り着いたのも何かの縁なので、このままブレダ観光をしてみようかとも思いましたが、結局折り返しの電車に乗ってドルトレヒトから路線バスでキンデルダイクに向かうことにしました。

レダ観光はまたいつか。

 

今度こそ目的地へ…

気を取り直して…ドルトレヒト駅で降りてバスを待ちます。

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バス停にあまりにも人がいないので心配になりましたが、無事にバスは来ました。

 

316番のバスに乗れば1本でキンデルダイクまで行けます。

終点なので乗り過ごす心配もなし。


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バスの座席が思ってたより快適で、テーブルまでついていました。(…テーブル要る?笑)

 

因縁の路線バスにテンションが下がり気味でしたが、今回は酔わずに済みました。

カーブが少なかったから?なんでだろう。

むしろ窓から見える住宅街の景色を眺めて楽しむ余裕すらありました。大きな窓からちらりと見えるお家のインテリアや寛いだら気持ち良さそうなお庭。オランダの家には見習いたいことがたくさんあります。

 

終点が近づくと住宅は減り、広大な湿地帯に並ぶ風車が遠目に見えて、これがなかなかいい眺め。

路線バスも悪くないと思える瞬間でした。 

 

素朴さが尊い風車群

visitor centerで受付けも済ませ、同じ建物内のカフェで簡単にランチも済ませました。

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本当に本当に軽い、軽食(笑)

チーズだけのトスティwith ケチャップ。「なんでケチャップ?(笑)」とバカにしてたけど、意外と合いました。

でもこのカフェのいいところは、運河と風車群を正面から見られるテラス席があるところ。特等席で気持ちよかったです。あと、2019年に改装されたばかりの建物なのでぴっかぴか!

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到着が遅れたおかげで、少し晴れた状態で風車群を眺めることができました。

 

まずはクルーザーに乗って、運河から風車を眺めました。往復で30分くらい。

途中下船もなくゆっくり往復するルートです。

自分で歩かなくても風車が一通り間近で見られるので、楽でよかったです。

 

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この日風車はどれも止まっていたけど、これが全部回っていたら迫力ありそう。

 

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そして、これが件の造船会社です。

クルーザーから普通に風景の一部として眺めることができました。

 

船を降りた後は、遊歩道をお散歩。

道沿いに背の高い草が生い茂っているばかりで、エンターテイメント要素はあまりない遊歩道。

所々に現れる風車の中を少し見学して、あとはただ景色を眺めながらのんびり歩くかサイクリングするか。

キンデルダイクの観光で出来ることは本当に素朴で地味でしたが、この上なくオランダらしさを感じられる場所でした。

風車はただのエンターテインメントや風景ではないんだよなぁと気づかされます。

オランダを知れば知るほど、『世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った』という言葉に納得してしまいます。

 

息子もいたので途中で引き返し、風車の中も結局見ずに最低限の観光にとどまりましたが、素朴で堅実なオランダの歴史を肌で感じることができました。

 

帰り道は水上バス(waterbus)で!

ひと通り見終えた後、ちょうどいい時間の水上バス(ただしドルトレヒト行き)があり、遠回りだけどせっかくの機会なので乗ってみることに!

 

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全体像がないけど…こんな感じで乗り場が運河の上に浮いています。

ちゃんと待合室まであります。風が強い日が多いもんね。

ちなみに、船が近づいてくると波が立って乗り場が揺れるので、私も夫も船に乗る前に船酔いになりかけました…汗

 

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これが私たちの乗った水上バス

 

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座席はこんな感じで快適です。

この日はガラガラなので社会的距離も余裕。

それでももちろんマスクは着用必須。


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こういうカードリーダーが数カ所設置されていて、ov-chipcardをタッチすれば料金が支払えます。

本当に路線バスと勝手は同じ。

船の後方には駐輪スペースもあって、この日は地元のおばちゃん達が使ってました。

出発を待っていると、乗務員さんにドルトレヒト行きだけど間違えてない?と確認されました。ロッテルダムに行きたい観光客が間違えて乗っちゃうことが多いのでしょうね。

 

ドルトレヒト行きの水上バスからは、例の造船所が川側から見ることができました。

オフショア業界では有名らしい企業の作業船も停泊してたりして、素人でもかなり興奮する眺めでした。

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乗り物好きの息子も大きな船を嬉しそうに眺めてました。

 

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船の乗り心地は日本の高速船と似た感じで揺れも少ないし、目的地(ドルトレヒト)まであっという間に着くので、すごく良かったです。

路線バスも悪くなかったけど、断然水上バスの方がよかった。

 

最後はドルトレヒトの街を見物しながら駅まで歩き、本日2度目のドルトレヒト駅に到着。

最初降りた時は裏寂れてて(←失礼)、静かな印象でしたが、街中を歩いてから来てみると印象がガラリと変わりました。港があり、街並みも歴史の雰囲気が色濃く残っていて、なおかつ活気もある!

ドルトレヒト観光にもグッと興味が湧きました。

 

帰りは電車を乗り間違えることもなく無事に到着。

思わぬハプニングのおかげでオランダをちょっと詳しく知ることができた1日となりました。

 

おまけ

↓夫が見つけた興味深い記事。(文献?)

http://www.kansai-u.ac.jp/ordist/ksdp/danchi/018.pdf

オランダ人がなぜ合理性を重視するのか、とかそういったことに触れられていて、諸々納得しながら読みました。

在蘭7ヶ月目にして、私の中でオランダ熱がじわじわ高まってきています。オランダ、おもしろい!!