夏の思い出シリーズ。
8月某日。マーストリヒトへ旅行してきました。
マーストリヒトってどこにあるかというと、この辺↓
オランダ最南端のリンブルグ州の州都で、ベルギーとの国境沿いに位置する街。
オランダの国土ってこんなにグイっと右下に食い込んでいるのね、と地図を見て驚きました。
国内の他都市に行くよりお隣ベルギーやドイツの街に行く方が近そうで、どことなく東京・町田を彷彿とさせる位置関係。
私の住む街からだと、電車を乗り継いで片道3時間弱の旅。子連れだと日帰り旅行は厳しいので、一泊二日でゆったり行ってきました。
もちろんコロナ禍なので細心の注意を払いながら。
今回は、マーストリヒトへ向かう途中で寄ったデンボスという街の記録。
デンボス
駅名(正式名)は's-Hertogenbosch(スヘルトーヘンボス/セルトーヘンボス)ですが、一般的にはDen Bosch(デンボス/デンボッシュ)と呼ぶそうです。
日本のガイドブックには載っていなくて(あの地球の歩き方でさえも)、日本人的にはマイナーな街ですが、中世の面影を残すとてもきれいな街です。
今回立ち寄った最大の目的は、聖ヤン大聖堂。
オランダ国内で最も美しい大聖堂のひとつと名高いゴシック様式の教会です。
(グーグルマップで調べるときは、「聖ジャンス聖堂」って入れないとゴーダの別の教会が出てきます。オランダ語難しい。)
ぶらり街歩き
大聖堂までは駅から歩いて15分ほどなので、のんびり歩いて向かいました。
歩き始めてまず見つけたのは、デンボス発祥のスイーツ「ボッシュ・ボール」で有名なお店。
ボッシュ・ボールは、端的に言えばチョコレートでコーティングしたシュークリームのようで、オランダらしく見た目のシンプルな(悪く言えば、あまりひねりのない笑)スイーツ。
見かけによらず甘すぎず美味しいと評判なのですが…私は生クリームのかたまりは苦手なので、今回はお店の外観だけ楽しみました。
駅前の大通りには他にめぼしい物は無いものの、歩道が広く清潔で、中央に立派な街路樹が並んでいて素敵でした。ちょっと丸の内を思い出す眺め。(言い過ぎ?)
大きな運河に掛かる橋を渡ると街の中心地。
街の中心は、一見チェーン店ばかりのありがちなショッピングエリアですが、ちょっと横道に入ると洒落たカフェやセレクトショップがあったりして、散策だけでも結構楽しめます。
ショッピングストリートを抜けて、デンボスのマルクト広場に到着。
マルクト広場のレストランで食べたランチが微妙で凹みました。。。
私の選んだメニューが悪かった。下調べしてない店では、大人しくサンドイッチ食べるか飲み物だけにした方がいいという教訓になりました。まだまだ修行が足りません。
聖ヤン大聖堂
お腹は満たされても気持ちは満たされず、モヤモヤを抱えたままお目当ての大聖堂へ。
国内で最も美しいと言われるだけのことはあって、外観の装飾もかなり凝っています。
マドローダムのミニチュアでもその外観の緻密さに感心しましたが、本物も圧巻。完成までに長い年月を要したというのも納得です。
ちなみに、ここには携帯電話で話す天使の彫刻があることでも有名。
2011年、修復作業の際に設置されたそう。なんだろう、経営的に話題性が大事なのかしら。でも遊び心もあって面白い!
でも職人技でちゃんと周りに溶け込むように作られているので、見つけるのは至難の業。私たちはどこにいるのかは全然見つけられず、看板だけで楽しみました。電話も繋がるみたいです。
内部はこんな感じ。
外観に負けず劣らず荘厳な雰囲気です。
天井には天界を表したような絵が描かれていて、極楽浄土を描いた日本のお寺みたい。
息子も珍しくお利口にトコトコ歩いてくれて、おまけに物知り顔で装飾を眺めていたので、オランダ人マダムがくすっと笑っておりました。
…が、おとなしい時間がそう長く続くはずもなく、すぐに騒ぎ出したので逃げるように退散。子連れで教会巡りはやっぱり難易度高めです。その空間に居る事はできても、楽しむまでの余裕はなかなか…。
その後はぐるーっと教会の外観を塀越しに見て楽しんで、駅まで戻りました。
デンボスは、確かに日本から遥々来て訪れるには物足りない場所かもしれないですが、オランダに暮らしてるなら訪れる価値あり。教会以外にも至るところに見所あるようだし、噂によると美味しい日本料理屋さんもあるそうです。
綺麗だし、歩きやすくて、私はとっても気に入りました。もう少し家から近ければなぁ。。。
大事件
ところで、ここのところ電車に乗ると何かしら事件の起こる我が家のお出かけ。
今回もとっておきの事件が起きてしまいました。
コインロッカーからスーツケースを取り出し、夫婦交代でトイレを済ませ、マーストリヒト行きの電車の来るホームに降りました。
そしたら、なんとそのスーツケースをトイレの辺りに置き去りにしたままホームに降りていて、電車に乗るまで気がつきませんでした…。なんて恐ろしいことを。。。
オランダに来て一番肝を冷やした瞬間でした。
もう何年もまともに走ってないのに、心当たりのある場所まで猛ダッシュしましたよ…。運悪く端っこのホームだったので、駅の端から端まで…。
私、今年本厄なんですけど、そのせいだろうか。本当に注意力散漫で自分が憎い。
で、ダッシュしてたどり着いたら…奇跡的にスーツケースがちゃんと残ってたのです。
ぽつねんと、すみっこの方に、置き去りにした時の状態のまま。
外国でこんな間抜けなミスを犯しておきながら、無事だなんて奇跡。しかも中身も無事でした。
この時の安堵をどう表現したらいいんだろう。とにかく泣きたくなるほどホッとしました。
でも無事だったのはデンボスだからかもしれません。アムステルダムとかスキポールだったら、絶対盗られてた…。本当に運がよかった。
何はともあれ、デンボスは立ち寄って正解の街でした。
さらば、デンボス。