Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

オランダのイベント|シンタクラースがやってきた!!

2020年11月14日(土)、シンタクラースがオランダに到着しました。

 

シンタクラースは、オランダでは1年の中でも1,2を争うアツいイベント。

コロナの影響で残念ながら本来の姿ではありませんが、子供の夢を裏切らないよう今年も工夫を凝らし、形を変えて実施されています。

わが家も知り合いの方に色々教えてもらったり、街の様子を見たりして、手探りですが楽しんでいます。

 

シンタクラースって何?

シンタクラースは、雑に説明すると聖ニコラスというおじいちゃんです。

私たちのよく知るサンタクロースの原形とも言われているそうですが、オランダではシンタクラースの方が断然人気なのだそうです。

 

 

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これがシンタクラース。

サンタクロースに比べると若干お上品な出立ちですが、確かに共通項が多い外見ですよね。

長く白い髭をたくわえ、赤い司教帽と赤いケープを身につけ、金色の長い杖を持っています。

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移動の際は、こんな感じで白い馬に跨っているそうです。

 

さらにシンタクラースは、子供たちがこの一年いい子にしていたかどうかをお供のズワルト・ピートに調べさせた大きな分厚い本を持っているそうです。

 

ズワルト・ピート

ズワルト・ピートは、シンタクラースの従者。

子どもたちにお菓子を配ったりしてくれますが、悪い子はピートに麻の袋に入れられ、スペインまで連れて行かれ、二度と帰ってこれないそうです。設定が怖いw

 

ちなみに、ズワルトはZwartという綴り。オランダ語で黒という意味で、黒いピートという事になります。

これまではピートは黒人さんという設定だったようで、肌の白いオランダ人が顔から首をまんべんなく(舞妓さんの白塗りみたいに)黒く塗って仮装するのが主流だったのですが、人種差別問題を受けて、最近は煙突のすすが顔に付いたという設定が好まれているようです。

私が今年見たピートたちは、すすで汚した感じのお顔ばかりでした。

 

どんなイベントなの?

①スペインから到着

まず、サンタクロースとの一番の違いは、イベントの期間。

サンタクロースは一晩で去ってしまうのに対し、シンタクラースは11月半ばから12月5日までのやく3週間ずっとオランダに滞在し、各地を巡回するのです。長い!笑

 

最初に盛り上がるのは、11月半ば。

11月11日の後の最初の土曜日にシンタクラースがオランダに到着する時。

従者のズワルト・ピートと共に蒸気船に乗ってやってきます。

毎年どこかの街が正式な最初の上陸地になり、船が到着後は白馬に乗ってパレードするそうです。

街の人たちは盛大に歓迎し、シンタクラースを一目見ようと街はものすごい人出になるそう。

↓これは最初の上陸ではないけど、到着時はこんな感じになるようです。

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ディズニーランド顔負けの盛り上がり具合です。。すごい。

私が話を聞いたオランダ人の方は、パレードでシンタクラースと握手した手は洗わなかったそう(笑)それくらい、子どもたちが熱狂する存在なのです。

 

オフィシャルな上陸の後は、国内の各都市でそれぞれシンタクラースの到着を祝うそうです。

私の住む街でも、1週間後くらいにシンタクラースの到着を盛大にもてなす日がありました。

 

こんな感じなので、今年はどこもリアルなイベントは中止。

到着イベントも、すべてオンライン開催でした。

 

②オランダ到着後の3週間

オランダに到着後は、シンタクラースは各地に出没します。

学校や病院、ショッピングモールなんかに現れては、子どもたちを喜ばせているそうです。

 

もう一つ面白いのが、各家庭での寝る前の儀式。

子どもたちは寝る前に、靴を用意して、その中にニンジンとかリンゴを入れておくそうです。シンタクラースの白馬へのプレゼントなんですって。

そして朝になると、ズワルト・ピートがお返しにお菓子やおもちゃを置いていってくれるそう。

しかもこれ、別に一回きりではなくて、期間中何度もやるらしいです(笑)

でも、それはつまり、大人が毎回仕込む必要があるということ…(笑)連日、街中でラッピングされた小さなお菓子やおもちゃを手に持つ親御さんを見かけます。

 

さらに、毎回お返しをもらえるわけではないのだそう。

ピートはオランダ中の子どもたちにプレゼントを配らなくてはいけないから、毎日来てくれるわけではない、ということらしい。設定が現実的…(笑)

でもだからこそ、「どうしたら自分のところに来てもらえるか」と考える楽しみが生まれるんですねぇ。

 

③12月5日、フィナーレ!シンタクラースからプレゼント

そしていよいよフィナーレ。

12月5日(聖ニコラスの日の前夜)に、子どもたちはシンタクラースからプレゼントをもらえるのです。

理想形は、夕食中にドアをノックする音が鳴り、急いで駆けつけると、そこにシンタクラースの姿はなく、代わりにプレゼントの入った麻袋が置かれている…という演出だそう。

 

子どもたちは当然この日を心待ちにしています。

聞くところによると、「いい子にしていないとシンタクラースが来てくれないよ!!」というのがこの期間の親御さんたちの決まり文句なんだとか…笑

 

そしてご家庭にもよるそうですが、オランダでは12月25日は家族と食事をして過ごす程度でサンタさんからのプレゼントはないそうです。

 

オランダ中が本気のイベント、それがシンタクラース

この伝統行事が楽しいなと思うのは、周りの大人も本気なところ。

子どもたちに信じ込ませるために、大人が全力で演出してるところがすごいと感じます。

 

たとえば、国営放送がわざわざ"SinterklaasJournaal"(シンタクラース・ジャーナル)というニュース番組まで作って、シンタクラース達がスペインを出発した日から毎日放送しています。

我が家はテレビがないのですが、Webサイトから見ていました。オランダ語は分からなくても、何となくストーリーが理解できて楽しいです。

ていうか毎年同じはずなのに、ちゃんとストーリーが作り込まれててすごい。

 

sinterklaasjournaal.ntr.nl

 

今年は、最初の到着地は架空の街になっていました。

「新しすぎて地図にもまだ載っていないオランダの街」という設定だったそうです。

ちゃんと市長さん役や市民の役の人もいて、よくできてて感心してしまいました。

本来の姿に比べれば、かなり盛り上がりに欠ける上陸だったのかもしれませんが、初めての私にとっては十分楽しめる内容でした。 

 

他にもこの季節ならではのお菓子とか、デコレーションとかも試してみたので、また我が家なりの楽しみ方も記録していこうと思います。