Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

オランダでお出かけ|スキーダムまでサイクリング

秋のお出かけの記録。

 

9月のとある快晴の日曜日。

晴れた日にしかできないことをしたいと思い、スキーダムまでサイクリングをしてきました。

 

 

OV-fietsで自転車をレンタル

わが家には1台しか自転車がないので、夫は駅前でOV-fietsというレンタサイクルを利用。

以前利用したmobike というレンタサイクルは、近頃さっぱり見かけなくなりました。

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ov-fietsの方がきちんと管理されてて、状態も乗り心地も断然良さそうなのです。

でも、これもまた脚の長さが足りず…私には乗りこなすのが無理でした。

息子を乗せた重たい自転車に乗るか、レンタル自転車に乗るか…どちらを選んでも楽ではなく、逃げ道はありません(笑)

そんな小さな不安を抱えたままサイクリングスタートです。

 

オランダの田園風景

私の住む街からスキーダムの市街地までは、自転車で約40分ほど。

 

自転車と徒歩では、広がる世界が全然違います。

 

いつもお散歩で「街の端っこ」だと思っていた場所をあっという間に通り越し、運河沿いを少し走ると立派な建物に遭遇。

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これ、なんと火薬庫だったそう。

爆発のリスクがあるので、街から離れたところに建てられたと書いてありました。街の外れにこんな歴史的建造物があったとは全く知りませんでした。

 

もう少し進むと、田園風景に早変わり。

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レンガ作りの街並みも美しいですが、これもまたオランダの典型的な風景です。


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ずーっとこんな感じの道が続きます。

 

一面に広がる牧草地や畑。草をはむ牛や羊の姿。ぽつりぽつりと建っている住宅。時おり遠くを走り抜けていくNS鉄道。

関東平野で育った私にはどこか懐かしく、故郷と重なる部分の多い景色です。

オランダではありふれた景色かもしれませんが、彼らの祖先が干拓してコツコツと作り上げた風景なのだと思うとグッとくるものがあります。

 

自転車に乗ったからこそ見られたオランダの田園風景にとても癒されました。

 

スキーダム観光

目的地のスキーダムでは、少し観光もしてきました。

ここには、街中に風車がいくつも建っているのです。


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まずはDe Walvisch(デ・ヴァルヴィス)風車博物館の見学へ。

「鯨」という名前の風車です。

 

オープンと同時に入ったので、ほぼ貸し切り状態。

受付のマダムと雑談していたら、ルーツが日本だと教えてくれました。ご本人はオランダで生まれ育ち、日本にはまだ行ったことがないそうですが、私たちが日本人だからかたくさんお話ししてくれました。

 

ひとしきり雑談を楽しんで、見学スタート。

2018年にオープンしたばかりらしく、内装は新しくかなり綺麗です。

 

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スキーダムの風車に関する紹介映像。壁に投影されています。

過去に火災や暴風雨で被害に遭い、何度も修復されてきたそうです。

 

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梯子にもきちんと手すりが付いてるので、ライデンの風車に比べたら断然上り下りがしやすかったです。


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上の階には、風車の模型が置かれ、風車の構造や機能が学べる展示がありました。

石臼で小麦を挽く体験もできるようです。

子ども向けだと思いますが、英語やオランダ語が分からない大人でも視覚的に理解でき、楽しいコーナーです。

 

さらに上の階では、風車内部の実物やデッキの見学をすることができます。

この日はいいお天気だったので、デッキからスキーダムの街を見渡すことができました。
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こじんまりしてるけど、素敵な街。

 

デッキでは作業着姿のガイドさんが丁寧に説明してくれました。

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驚いたことに風でびゅんびゅん回っていた風車の羽根を止め、真下まで行かせてくれました。

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羽根の布のたたみ方を見せてくれるガイドさん。

 

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嬉しいことに羽根にも少し登らせてもらえました。

何となく息子だけ登らせて皆んなではしゃいでたけど、私たち大人も登ればよかったと夫と私は後悔しました。またとないチャンスだったのに…!

 

続いて、大きな歯車や石臼など内部の仕組みについて教わります。

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先ほどの件で気を良くしたのか、ガイドさんにすっかり懐いた息子。自ら抱っこをせがんでいました。ガイドさんも嫌な顔せず対応してくれて、優しさにほっこり。

直前まで英語を喋ってたのに、うっかりオランダ語で説明し始めて「あっごめん」となるおちゃめなガイドさん。そんな姿にもほっこり。

 

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見学後は、風車内でコーヒーブレイク。

なんとサービスで息子にもリンゴジュースをいただいてしまいました。

よほど美味しかったのか、息子は文字通り一気飲み。目にも留まらぬ速さで飲み干しました(笑)

 

親切にしていただいた御礼を伝えて風車を後にし、自転車に乗る準備をしていると、受付のマダムがわざわざ出てきて、またもやサービスでお土産をくれました。

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カラフルな羽根がくるくる回って、息子はもらった瞬間から虜に。

自分じゃ絶対に買わないけど、オランダらしくて嬉しいプレゼント。

 

人が少ないからたまたま良くしてもらえたのかもしれませんが、最後の最後まで温かいおもてなしがとても有難かったです。

優しいスタッフさんたちのおかげで最高の思い出作りができ、大満足の見学となりました。

 

その後は少し街中を散策。

 

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跳ね橋をいくつか見かけました。スキーダムの運河の眺め、とても好きです。

 

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 運河と風車のコラボレーション。絵になります。



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市立美術館。

この日はオープンモニュメントデーだったので、もしかしたら無料で入れたのかもしれません。

 

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美味しいチョコレート屋さんにも立ち寄りました。


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内装は意外とモダンなデザイン。併設のカフェもあったので、また訪れてみたいです。


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ちょっとした街角もかわいらしい。

 


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ランチは、「ラーメン斉藤」でラーメンを。

スキーダム風車で挽いた小麦粉を使っているそうで、麺が少し特徴的。美味でした。

メニューの中には「ニュータンタンメン」があり、神奈川出身の夫は懐かしいと叫んでいました。ニュータンタンメンって何?笑

 

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ラーメン屋さんの前からの眺め。こんな感じで街中に普通に風車があります。

 

他にも、蒸留酒「ジン」の発祥地と言われているスキーダムには酒造の博物館もあるそう。

美しい街を歩きながら、世界一高いと言われる風車群も見られて、しかも混んでない・・・スキーダムってかなり穴場の観光スポットなのでは。

次回は電車で来て、ゆっくりじっくり楽しみたいものです。

 

帰りは途中の大きな公園に寄って、少し息子を遊ばせて帰りました。

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とても広く、遊具やアスレチックが大充実しており、子供を連れた家族で溢れかえっていました。

この時もコロナの心配はあったけど、平和な光景だなぁ。。

 

成長を感じたサイクリング

自転車道には、行きも帰りも休日のサイクリングを思い思いに楽しむ人たちがたくさんいました。

コロナの影響もあるかもしれませんが、彼らにとっては週末の過ごし方の定番なのでしょう。

 

私もコロナの心配からしばし解放され、とてものびのびと楽しむことができました。サイクリングも前回より慣れて上手くなったかな。

でも何よりも息子の成長もよく分かるサイクリングでした。

振り返れば前回のサイクリングから早6か月。言葉の数も格段に増え、目に飛び込んできた景色や感じたことをほぼ全て言葉にしてくれました。

「もーもー(牛)だ!」「でんしゃ!」「ぶーん!(飛行機)」「すごいねぇ!」などなど…

前回は何となくはしゃいでるのが伝わってくるだけだったけど(時々覗き込んでチラリと見える笑顔が可愛かったなぁ)、今回は具体的な反応が分かるので、こちらとしてもすごく楽しかった。

 

息子も終盤は力尽きてしまい、爆睡モードに。

ゆらゆらと舟をこぎ始める息子の頭を支えながら、自転車を操縦するのには苦労しました。。おまけに慣れない長時間サイクリングで、私の太もももお尻も悲鳴をあげていて、二重の苦しみ。。。

それでも、自転車道が平坦で、かつ自転車最優先なおかげで、無事に家にたどり着くことができました。自転車大国だからこそ、ですね。

 

ヘトヘトになりましたが、また一つオランダの文化に触れることもでき、大満足な休日となりました。

(その後数日筋肉痛に苦しめられたことは言うまでもありません。)

 

おまけ


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チャイルドシートが二つもついた自転車。(右の黄色と青の自転車がOV-fiets)