Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

第二子出産。妊娠34週で生まれた小さなわが子

第二子を出産しました。

 

今回の出産は予想外な展開となり…

なんと妊娠32週に前期破水。慌てて病院に駆け込みそのまま緊急入院。しばらくMFICUで管理入院となり、34週になったところで分娩誘発で出産しました。

破水した日は夫も仕事で遠方にいたので、家族を巻き込んで大わらわ。

最後まで油断できないのが出産なのだと痛感した出来事でした。

 

子供は数週間NICUとGCUにお世話になり、今は一緒に暮らしています。

有難いことに順調に育ってくれて、私の気持ちもようやく安定しましたが、破水してから産後しばらくの間は本当にジェットコースターに乗っているかのように感情が揺れ動いた期間でした。

 

メンタルどん底の産後1週間

特にしんどかったのは、産後1週間。

 

産前はむしろ安定してたのです。

入院していたのでNSTやエコー検査で赤ちゃんの状態も毎日確認できたし、医師の説明もわかりやすかったので、不安よりも「今できることに集中しよう」と前向きな気持ちの方が勝っていました。

個室だったし、余計なことを考えずに済んだのです。

 

でも産後は違いました。

 

産後はメンタルが不安定になりやすい時期ですが、子供に病気の可能性が疑われたりして、ずっと悲観的な気持ちや不安が付きまとっていました。

 

なお悪いことに、入院していた大部屋は正期産したママたちと同室。同じフロアには新生児室があって、そこへ授乳に通うママたちを見ては、あの中に私もいたはずなのに…と比べて落ち込んでしまうこともあったり。

 

特にご家族が新生児室の面会に来ている時間は辛かった。

NICUは両親しか入れないので…家族で喜びを分かち合う人たちの横を通り抜けて、NICU に一人で向かう時はなかなか凹みました。

 

そして、そんな精神状態だとNICUの空間にいるのが辛い時もありました。

NICUの中は薄暗い時間が多く、常に心電図などモニターの電子音が響いています。

今では何とも思わないし、むしろサポート体制万全で安心できる場所と思えますが、あの時はなんだか孤独感や不安ばかりが増長してしまっていました。

 

産前に受けたNICUの事前説明でも、ママたちはNICUの空間にショックを受けたり不安になったりしてしまうと聞いていたのですが、自分がまさにそうなってしまいました。

 

ちなみに、そういう時は看護師さんにしっかり頼って話を聞いてもらうことも大事だなと感じました。

 

私も2日目くらいに、心配と不安で泣いてしまった時があって、看護師さんが優しく励ましてくれてとても慰められました。

そのことは速やかに情報共有されたらしく(笑)、その後助産師さんも担当医の方もしっかりフォローしてくれて、不安を丁寧に解消していくことができました。

常駐の臨床心理士の方が優しく話しかけてくれるのも、孤独感が薄れ、安心感がありました。

メンタル面でのサポート体制がしっかり整っていて本当に助けられました。あれなしでは多分完全に押し潰されていたと思います。

 

ありのままのわが子を受け入れる

そんな感じで出産直後の数日は、病気の不安に取り憑かれて、なかなかわが子の成長に集中できない状態で、大げさですが、わが子の将来を勝手に悲観していました。

今思えば本当にもったいない限りですが、病気の検査の話を聞いてからは、なかなか気持ちが切り替えられなかったのです。

 

正産期で生まれた親子だけでなく、同じ時期にNICUにいた親子さえも順調そうに見えて、羨ましく、取り残されたような気持ちになることがありました。

 

 

でも、そんな母の不安をよそに、次男は順調に成長してくれました。

生まれて1週間も経たないうちに、呼吸器が外れ、体温調整も自力でできるようになり、お口からミルクも飲めるようになりました。

さらに検査の結果、病気の心配は杞憂に終わり、1週間後には完全に点滴も抜けました。(この時は本当に本当に嬉しかった…!)

 

こうして日を追うごとに着実に成長を実感できることが増え、ようやく「この子にはこの子のペースがある」と思えるようになりました。

 

この時、ふと思い浮かんだのが、「自己受容」とか「自己承認」という言葉。

 

これは苫野一徳さんという哲学者・教育学者の方が、voicy の中で語られていた言葉です。

ルソーのエミールという教育論について解説する中で、ルソーの唱えた自己愛から派生して、

教育や子育てにおいては、競争や他者との比較を通した優劣感情から抜け出し、ありのままの自分を受け入れる自己承認や自己受容が大事だという話をされていました。

 

紹介されていた意味とは異なるのですが、その時自分の置かれた状況にとてもしっくりくる言葉だと感じたのです。

 

早産の子の成長には、実際に生まれた月齢とは別に修正月齢なるものがあるようで、発達は修正月齢を基準に観察していくことが多いようです。

 

上の子や他の子との違いに戸惑うことがあるかもしれないけど、自己受容や自己承認を大事にしながらこの子の成長を見守っていきたいなと思います。

 

もちろん上の子にも。

初めての子で色々厳しく接してしまうことも多かったので、より一層意識したいことかも。

 

もっと言うと、自分にも。

母親としても、一人の人間としても。

 

 

想定と異なる出産を経験して、またひとつ新しい側面から物事を見られるようになりました。