Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

オランダでお出かけ|歴史感じる街ライデンをプチ観光

夫の授業が無事に全て終わり、夏休みに突入しました。

夫は渡蘭して約1年。後半は新型コロナの影響で全てオンラインになってしまい気の毒でしたが、とりあえず無事に終えられて、私もホッとしました。

そうは言っても夏休み中も勉強は継続するようなので、家族からするとあまり節目の実感はありません^_^;

 

 

ライデン(Leiden)について

今回は、夏休みのお出かけ第一弾ということで、まずは近場からスタートを切ることにしました。

色々候補があり迷いましたが、前々から気になっていたライデンへ行くことにしました。

 

ライデンはオランダで最も古いライデン大学があり、学生街として有名です。

レンブラントの生まれ育った街としても有名ですが、シーボルトハウスを始め日本と縁の深い街でもあります。ライデン大学には日本学科なるものまであるそうです。

 

中心地は煉瓦造りの建物が建ち並んで昔の趣を残し、運河沿いにはレストランやカフェのテラス席が出ていて、とてもヨーロッパらしい光景が見られます。

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うーん、それにしてもどちらの写真も空がオランダらしい(笑)

 

ライデン中央(Leiden centraal)駅

久しぶりに家族揃って鉄道に乗り、揺られること20分。あっという間にライデン中央駅に到着しました。

駅は大きく、結構な人数がこの駅で降りて行きます。

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ホームを降りて外に出ると、とってもユニークな駅舎の全体を見ることができます。

ロッテルダムユトレヒトデン・ハーグ中央駅もこういうデザインなので、こういう駅を見ると『オランダらしい』と感じるようになってきました。

駅の中も鉄骨とガラスが駆使されているので明るく開放的で、晴れてると尚良しです◎

 

デ・ファルク風車博物館(Molenmuseum de Valk)

まずはこの日のメインの一つである風車博物館へ。

駅から5分ほど歩くと橋が現れ、ふと左手を見るとこんな絵になる風景が広がっていました。

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運河と整備された緑地、そして風車。

街の中とは思えない牧歌的な眺めです。逆光なのが悔やまれる。

 

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運河沿いには舗装された小道があり、そこを歩くと風車まで辿り着けます。小道からの眺めもまた素敵。

小道の横にはレストランが二軒ほど並んでいて、天気のいい日にテラス席で食事やお茶ができたら最高なんだろうなぁ。

 

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風車側から来た道を振り返るとこんな景色。ほんとに街中とは思えない、よく整備された緑地です。

司馬遼太郎の『街道をゆく』を熟読中の夫からのトリビアによると、オランダは電線を全て地中に埋めてるんだそうです。私はよく知らないのですが、オランダには都市景観税もあるみたいで、どの街もとても整った(悪く言えば人工的な)景観をしており、暮らしてみると緑の割合とか建物の混雑具合がちょうどいいと感じます。

 

前置きが長くなりました…

この日は平日ということもあり、風車博物館は貸し切り状態でした。予約も必要なかったんじゃないかというくらい…笑

ベビーカーは受付の近くに置かせてもらい、息子は歩かせて回りました。

 

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風車の構造はこんな感じで、写真の14mと書いてあるところまで昇ることができました。

 

この風車には2家族が住めるようになっていたようで、グランドフロア(日本で言う1階)には居住空間が再現されており、タイムスリップしたような気分になります。


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キッチンが可愛い。

 

1階から上には風車に関する様々な資料が展示されていて、風車のことを知るのは完全に初めてだったのでとても興味深く見て回りました。

そしてどんどん上のフロアへ進んでいくと、いよいよ風車の回っているフロアに着きました。

外に出て風車を間近で見ることができます。

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この日は風が強かったので、ものすごいスピードで回っていました。側まで寄るとかなりの迫力で怖いくらい。

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ライデンの街並みも一望できます。

私の住む街と違って駅前には高い建物が多いです。そうは言っても日本に比べたら全然ですが…。

 

この後は、ルートに沿って降りていくのですが、ここからがなかなかの難関でした。

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階段は基本的に狭くて傾斜がかなりあります。降りるルートのはもはや梯子でした。アンネ・フランクの家で味わった恐怖、再び…(笑)

むしろ今回は抱っこ紐なしで抱えなければいけなかったので、前回よりもハードだったかも…(まあ今回も抱えて降りたのは夫ですが…)


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こんなアドバイスが各所に貼られていました。もちろん注意書きに従って後ろ向きで慎重に降りました。

オランダの観光はどこも足腰が鍛えられます。

 

風車博物館は期待していたよりもずっと楽しめて、とても満足度の高いものになりました。

 

ランチは運河沿いのオシャレなレストランで

風車博物館を後にして、ランチのお店を探して街の中心地へ向かいました。

コロナの影響で事前予約が必要なルールにはなっているのですが、昼間の時間帯に限って言えば、その場でお願いすれば大抵入れてもらえます。

よほど混んでるお店でなければ、予約ルールは昼間は形骸化している印象です^_^;

 

お目当てのクラフトビールが飲み比べできるお店は平日昼間は開いていなかったので、店内が広そうで外観も素敵なレストランを直感で選んで入りました。

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昔、計量書だった建物を改装したレストランのようです。

中も広くて距離の心配もなかったし、赤ちゃん連れが多かったので余計な気を遣わずに済んで居心地が良かったです。

 


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ここでは、ハンバーガーとオランダ名物のビタボレンに挑戦。

(隠れてますが、フレンチフライのお供はもちろんマヨです。)

ビタボレンとは、コロッケのような揚げ物で、中身はトロッとしたものが入ってます。何かはよく分かりませんが、例えて言うならたこ焼きのトロッとしたあの感じが近いです。

外は相当カリッとしていて、中のとろみとのギャップがいい感じです。見かけによらず味も濃いです。中身はたこ焼き同様めっちゃ熱いので、猫舌にはちょっと手強い食べ物でしたが、ビールとの相性は抜群でした。

夫曰く、ちょっとした立食パーティーとか軽く一杯ひっかける系の飲み会に参加すると、高確率でこのビタボレンが出てくるそうです。

日本の唐揚げ的な立ち位置のようです。

 

シーボルトハウス

ランチの後は、少し遅刻気味で次なるメインシーボルトハウスへ。

江戸時代に出島で医学を教えていたあのシーボルトです。今回改めて調べてみて知ったのですが、シーボルトはオランダ人でなくドイツ人なのだそう(笑)

彼が日本から持ち帰った植物や調度品を常設展で見ることができ、さらには日本に関わる企画展も見ることができる博物館です。

ちなみにこの時は常設展エリアが改装中で、シーボルトの展示はほんの一部しか見ることができませんでした。残念。

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代わりに日本の猫に関する企画展をじっくり見てきました。浮世絵を始めとした日本の猫の絵や招き猫などがたくさん展示されていました。

息子は忙しそうに「にゃあにゃ!」と指差しながら言っていました。

解説もゆっくり読みたかったのですが、帰りの時間も迫っていたので、駆け足で眺めるだけで終わってしまいました。

 

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ソーシャルディスタンスの絵も和風。

 

日本から観光に来た人がわざわざ見にいく場所ではないかなぁと思いますが、こちらに住んでいるなら、母国の見られ方を知ったり、母国の文化への造詣を深めに観に行くのにはいい場所だと感じました。

 

レンブラント橋と風車

雲行きが怪しくなってきたので予定を切り上げて帰ることにしたのですが、駅に向かう途中、意図せずレンブラントゆかりの観光スポットに遭遇しました。

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これは生家があった場所。

今はアパートで普通に誰かが住んでいます。


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振り返ると、レンブラント少年の銅像と広場。

あまりにもひっそりとしていたので、危うく素通りするところでした。

去年の秋頃、アナザースカイという番組で松岡茉優ちゃんが訪れていた場所。松岡茉優ちゃんもなんか色々驚いた反応していたけど、この時気持ちが少し分かりました(笑)

巨匠ゆかりの地としてあまりにも控えめというか、趣に欠けるというか…

ショボいし、なんだかダサくないか?!(あ、言っちゃった)

番組ではライデン自体がかなり素敵に映し出されてたけど、あの番組の盛り方…いや撮影・編集スキルの凄さを体感しました(笑)

私の心構えや巨匠への思い入れが足りなかっただけだろうか…とにかくびっくりスポットでした。

 

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レンブラント橋と風車は小ぶりでしたが、趣はありました。

晴れてたらもっとよかったけど、曇り空の方がオランダらしさが表れてるかな。

 

短い時間だけど大満足のショートトリップ

ライデンは他にもライデン大学や要塞、教会など色々見どころがあるようなのですが、電車のラッシュアワーを避けたかったので、この日はこの2つだけに絞りました。

久々のお出かけ&息子の怪獣レベルも上がってたので、かなり警戒していたのですが、蓋を開けてみると息子は久しぶりの外の世界に終始ご機嫌。グズって困ることが一回もなく、かなり楽なお出かけでした。

 

ライデンの街自体はちょうどいい広さで、子連れにはとても観光しやすい場所でした。

距離的にも気軽に楽しめることがわかったので、また家族で来たいと思います。