Tulip Diary

Tulip Diary

1児の母の取りとめもない日々の記録。オランダで暮らしていた時の日記も少々。

オランダでお出かけ|アンネ・フランクの家

お出かけの思い出シリーズ第5弾。

今回はアンネ・フランクの家へ行った日の話。

 

ミュージアムカードを手に入れて間もない頃、私がまだアムステルダムに行ったことがなかったので、アンネ・フランクの家に行く事になりました。

 

 

チケット購入

アンネ・フランクの家は、言わずと知れたアムステルダム屈指の観光スポット。

完全予約制で、80%が2ヶ月前から、20%が当日の朝9時からオンライン予約できる仕組みなのだそう。

完全予約制と言っても人気なことには変わりないので、当日券は早い者勝ち、事前購入も大抵1ヶ月以上先の日程を選ばなければいけません。

 

残る手法は、80%の方の事前予約枠にキャンセルが出るのを待つこと。

私たちは偶然出来心で1週間前にサイトを見たら空きを見つけたので即予約!(多分コロナの影響だったんだと思います…。)

 

ミュージアムカードを持っていたので、予約料の€0.5くらい?だけで済みました。

 

アンネ・フランクの家へ

私たちの予約時間は午前中。

当日の朝は電車で降りる駅を間違え時間をロスし、焦りながら噂通りマリファナ臭がそこかしこから漂ってくるアムスの街を急ぎ足で歩き、なんとか時間までに到着して入場することができました。(マリファナなんて、これまでの人生で全く接点もなかったのに、オランダで暮らすうちに段々どのニオイがマリファナなのか察しがつくようになりました。)

 

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東京駅のモデルになったというアムステルダム駅の駅舎。駅構内の一部や駅前は大規模工事中でなんだか歩きにくかったです。そんなところも東京駅と似てる。

 

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ベビーカーがあるのでスロープ付きの入り口に誘導され、ミュージアムカードと予約画面を見せて中に入れてもらいました。

その後、ベビーカーや大きな荷物は入り口のクロークで預けます。小さめのリュックは持ち込めます。おむつ交換部屋はゲートの中にあるので、おむつセットを小さいリュックに押し込み、息子を抱っこ紐に入れて入場しました。

 

オーディオガイドは日本語もあるので、内容を理解しながら進むことができました。ここだけの話、この年齢にして未だにアンネの日記を最後まで読んだ事がなく、勉強不足のまま臨みましたが、丁寧な日本語ガイドのおかげで何とかなりました。

 

印象的だったのは、やはり本棚の奥に広がる隠れ家。

本当に暗くて狭い部屋です。当時の物がそのまま残されている箇所もあり、ここに暮らしていた彼女達の息遣いが聞こえてきそうでした。

壁の身長の落書きとかポスターや写真などの生活の跡を見るにつけ胸が痛みます。

 

その他、収容所の様子や生存者のインタビューなども展示されており、正直目を背けたくなるような具体的で生々しい資料が並んでいます。

最後にはアンネ直筆の日記も展示されており、人だかりがすごくてゆっくり見れませんでしたが、日記はとても整った字でびっしりと綴られていて、彼女の人柄や熱意が今でも宿っているようでした。

 

この展示からは、戦争の悲惨さや残酷さを当然ながら学ぶことができますが、あの世界大戦から何十年も経った今、この悲劇を語り継ぐ意義について色々考えさせられました。

私は運良く戦争も紛争もない環境に暮らしているけど、あのナチスの暴走は、自分の日常生活に潜む問題にも通じるものがあるような気がしてなりませんでした。小さい事から気づかないうちに始まって、あんな大事に至ってしまう。いつの時代だって他人事ではない話。だから、日頃からきちんと向き合い、自分の頭で考え、想像力を働かせなければ…なんて足りない頭で色んなことに思いを馳せながら考え込んでしまいました。

 

子連れの注意点

私たちは一応スキップすることなく全ての展示を見ることができましたが、少し急ぎ足で回りました。それで大体1時間くらいだったと思います。

アンネ・フランクの家は子連れNGではないけど、かと言って子連れに優しい設計でもありませんでした。その為、それなりの対策と覚悟が必要です。

私が今回学んだのは以下の3点。

 

  • 階段が狭くて急

当時の建物を生かした展示ということもあり、階段もとにかく狭くて急です。カナルハウスと呼ばれるオランダの家の特徴なのかもしれません。日本でもお城の中とか急ですが、あれのもっと狭いやつです。もはや垂直な梯子。

どんなに軽くてコンパクトになる日本製のベビーカーでも、さすがに持ち込む事は不可能だし、小さな子供に自力で上らせるのも難しそう…。

うちはずっと抱っこ紐に入れてましたが、抱っこしながらあの急な階段を上るのは緊張感が漂いました。自分の足下も心配だし、前の人の足元も心配だし…。ま、抱っこしてたのは夫ですが…。

 

  • 建物内は狭く、人が多い

建物内はどこも狭めで、オーディオガイドを聞きながら小さく細かい展示を見て回ります。人も多いので、どの部屋にも常に人がたくさんいました。

なので子どもがぐずると当然ながら気を遣います。息子もご多分に漏れずぐずり出しましたが、出来るだけ部屋の端っこでオーディオガイドを聞くようにしました。

あと、息子にオーディオガイドを貸してあげると嬉しそうに聞き入って静かにしてくれてました。その代償として、私が何箇所かガイドを聞くのを諦めました(泣)

親が何らかの犠牲を払うことは覚悟の上で臨むべし、です。

 

  • おむつ交換スペースは、退場後でも頼めば入れてもらえる

おむつ交換スペースは、入場ゲートを入ってすぐのところにあります。でも出口付近にはありません。途中で戻れるポイントもありません。

でも、ここを出た後、アムスの街中のどこでおむつ交換ができるか見当もつかなかったので、勇気を出してスタッフにおむつ交換だけしにもう一度入れてもらえないか頼んでみました。(勇気を出して頼んだのは、夫…笑)

そしたら快くOKをもらえました。

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オムツ替えスペースは、トイレからは独立した個室で、とっても広くて清潔でした。椅子もあるので授乳もできそう。

 

子連れでも頑張って訪れる価値はあった

ベビー連れで行くにはハードルの高い博物館ではありましたが、それでも頑張って行ってよかったです。

アンネの日記を読んで、息子が自分の足で回れるくらい大きくなったら、もう一度訪れたいなと思いました。

 

 

おまけの話)オランダのこういう所が好き

アムスに向かう列車の中で座った席が、運悪く静かにしなければいけないゾーンでした。

オランダの列車は一等車と二等車があって、一等車は別途料金がかかります。二等車はいわゆる一般車両なので基本はみんなお喋りとか自由にしてるんですが、二等車でも一部静かにしなければいけないゾーンが存在します。

他に席も空いてなかったので、アムステルダムまでの約1時間かなり気を遣って過ごしてたのですが…途中チケット確認にきた乗務員のおじさんがめっちゃ大きい声で息子に挨拶をしてくれて、さらには『写真撮ってあげるよ』と言って、家族写真を撮ってくれました(笑)

戸惑いながらも言われるままに撮影してもらい、ハッハッハーと笑いながら立ち去る乗務員さん。

後から確認したら、これがまた超いい写真で(笑)お気に入りの家族写真になりました。

 

 

他にもランチで入ったレストランのスタッフが、わざわざベビーカーを覗き込んで息子を愛でてくれたり、日本とはまた違うオープンな優しさに、心がほっこりした1日でした。